僕ハゼです。

西表島3日目

夜明けを待ち、風と波の様子を見るため、
船着き場に行く事にした。

宿の前の道を左に200メートルほど行き、
十字路を左に曲がり、坂を下れば船着き場になる。

この十字路を左に曲がる所から真っ青な海が開けて見える。

この道は特に好きで、速度を落として歩き、見えるもの全てを楽しむ。

道中の家々を見るにも、特有の赤瓦に白い漆喰とのコントラストが地域性を感じる。

旅先で見るその地域の普段と、
自身の生活域との違いから、気候、風土に対応し得た知恵と工夫を垣間見る事を楽しみの優先としている。



船着き場に停泊している高速船が左右にゆさりゆさりと揺れていた。

かなりの風と、波がある。

風裏になる島の内部に出向く事にした。

鉄砲魚を見に行こう。

この島に来る事となる最初のテーマでもある。

口から水鉄砲を発射して、水面上の昆虫等を撃ち落とし、補食するあの魚。
小さい頃からなんとなく気になっていた魚でもある。

日本には分布しないと思われている魚であるが、この西表島には居てる。

居てる場所は、知る限り大きい岩に着く。

河川であれば、川が湾曲している所に岩があり、川の流れがあたり、水がよれている様な場所があれば居る確率は高い。


この島で数回お世話になっている安立さんに電話を入れ、カヤックを貸してもらえるか問い合わせてみた。

"今、島ですか!何時でもいいですよ!

ありがとうございます…

宿に戻り、最低限の荷物を防水バックに詰め込み、仲間川河口近くのスロープに置いてあるカヤックで、仲間川の上流を目指した。

河口付近から上流を目指す風景を見るにも、
日本の風景とは思えないほど壮大で、ヒルギが群生し、蛇行する深緑の川辺を一人漕ぎあがっているこの時間を、自分の一番の贅沢と位置付けている。

年8回もこの島のこの場所に来ると、どのタイミングで、どの場所に入れば鉄砲魚が見れるかがわかる。
今もそのタイミングである。

カヤックを、マングローブの群生する浅地に係留し、救命胴衣を着けたまま川に浸かりこみ、気配を消し待つ。

数匹の鉄砲魚を確認できた。
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この鉄砲魚が、この場所になぜ居るかを、自分なりに定説するためにも、
この地に来る目的の一つとしている。

動植物が好きな者にはこの上ない楽園で、
残された時間を僕はこの島で費やす。

南シナ海に熱帯低気圧がボコボコと発生した。

タイミングを逃すと数日帰れない。

この島から出て、家族の待つ家に戻ろうと思う。

今回も良い旅だったと思う。

ありがとう。




# by gogohaze | 2018-06-19 19:46